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ウイルス酵素タンパク質の合成と活性測定 - 株式会社セルフリーサイエンス|コムギ無細胞タンパク質合成技術で未来をつくる

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アプリケーションノート

ウイルス酵素タンパク質の合成と活性測定

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はじめに

ウイルス感染症の根本的な克服には、ウイルスの増殖や病原性を引き起こす病態メカニズムを詳細に解明し、そのエビデンスに基づいて分子標的を設定した創薬開発が必要です。特にウイルスがコードする各種酵素タンパク質は薬剤標的となりますが、重要であることが既知でありながらも、従来から用いられている大腸菌や昆虫細胞を用いた系では、不溶化され活性タンパク質を得ることが困難な場合がありました。そこでコムギ無細胞タンパク質合成系を使って、HIV-1タンパク質の逆転写酵素、インテグラーゼをin vitro合成し、活性型タンパク質が合成できているかどうかの確認を行いました。

 

方法

鋳型プラスミド構築

HIV-1 NL43株由来の逆転写酵素、 HIV-1 HXB2株由来のインテグラーゼの各遺伝子は、コムギ無細胞タンパク質合成専用発現ベクター「pEUベクター」にクローニングし、鋳型プラスミドを作製しました。 逆転写酵素遺伝子は複合体形成を目的にp51とp66を作製し、p51およびインテグラーゼのN末端には、合成後のアフィニティー精製のためGSTタグを付加しました。タグ切断用配列としてp51にはPreScission Protease、インテグラーゼにはTEV認識配列を付加しました。

 

タンパク質合成

構築した鋳型プラスミドから転写反応によりmRNAを合成しました。 逆転写酵素はp51とp66の2つのプラスミドから共発現を行っています。翻訳反応としてmRNAおよびコムギ胚芽抽出液WEPRO7240Gなどの混合液と翻訳基質溶液SUB-AMIX SGCを重層形成させました。合成後はGSTによるアフィニティー精製およびタグ切断処理(PreScission Protease)により GST-tagを切り出し、 逆転写酵素p51:p66複合体およびインテグラーゼの精製を行いました。インテグラーゼは合成後にNaClを加え可溶化させています。

 

逆転写酵素活性測定

酵素反応系として、酵素反応系として、Poly(A)を鋳型にoligo(dT)をプライマーとして、伸長中のDNAにDIG標識dUTP、ビオチン標識dUTPを取り込ませることで、ストレプトアビジンコートプレートにDNAを固定化し、POD結合抗DIG抗体を使って逆転写酵素活性を検出しました。

                 HIV1

     図1. 逆転写酵素活性測定の模式図

 

インテグラーゼ活性測定

インテグラーゼ活性インテグラーゼ活性として、Strand Transfer能を確認しました。Target DNAをDIG標識、Donor DNAをビオチン標識し、ST反応後、ストレプトアビジンコートプレートにDNAを固定化し、POD結合抗DIG抗体を使ってインテグラーゼ活性(ST能)を検出しました。

 

                                                                         HIV2 2

 

                                                                              図2. インテグラーゼ活性測定の模式図

結果

タンパク質合成と精製

目的のタンパク質を可溶性で得ることが出来ました。逆転写酵素は複合体で調製できていることがわかりました。

 

                         HIV3 2

 

                                                         図3. 逆転写酵素p51:p66複合体とインテグラーゼのタンパク質合成と精製

 

逆転写酵素活性測定

mRNAを加えた反応液mRNAを加えた反応液で逆転写酵素活性が検出されました。またこの活性は、AZTTPを加えることで阻害されたことから、コムギ無細胞系でin vitro合成したHIV-1逆転写酵素の活性を特異的に検出できていることが、確認されました。

HIV4

  図4. 逆転写酵素活性結果 

 

逆転写酵素活性測定

mRNAを加えた反応液mRNAを加えた反応液でインテグラーゼ活性が検出されました。またこの活性は、ラルテグラビルを加えることで阻害されたことから、HIV-1インテグラーゼのStrand Transfer能を特異的に検出できていることが、確認されました

 

HIV5

 

 図5. インテグラーゼ活性結果

 

 

以上よりコムギ無細胞タンパク質合成系を使って、難発現タンパク質であるHIV-1タンパク質の逆転写酵素、インテグラーゼを簡便にin vitro合成し、活性型タンパク質が合成できていることが確認できました。

 

参考文献

Matsunaga S, et al. (2015) A cell-free enzymatic activity assay for the evaluation of HIV-1 drug resistance to protease inhibitors. Front. Microbiol., (6):1220

 

謝辞

本紙は、国立病院機構 名古屋医療センター感染・免疫研究部 岩谷靖雅先生との共同研究で得られた成果を基に作成されました。本研究で使用された「 HIV-1 NL43株由来の逆転写酵素、 HIV-1 HXB2株由来のインテグラーゼの各遺伝子」は、岩谷先生よりご提供いただきました。

 

 

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使用製品

WEPRO7240 Expression Kit

WEPRO7240G  Expression Kit

タンパク質合成に必要な試薬類がセットがなっています。

少量スケール多サンプル合成、目的タンパク質の大量合成などに最適です。

WEPRO7240

WEPRO7240G

GSTタグアフィニティー精製用に最適化されたコムギ抽出液

SUB AMIX SGC 2

SUB-AMIX SGC

WEPRO7240シリーズ用の翻訳反応基質溶液です。

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