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活性を保持したtPAプロテアーゼドメインの合成 - 株式会社セルフリーサイエンス|コムギ無細胞タンパク質合成技術で未来をつくる

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アプリケーションノート

活性を保持したtPAプロテアーゼドメインの合成

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はじめに

ジスルフィド(S-S)結合は、細胞外へ分泌されるタンパク質や膜タンパク質の細胞外ドメインの立体構造形成に重要な役割を果たしており、そのタンパク質の機能発現にとって必要不可欠です。 真核生物において、ポリペプチド合成は還元雰囲気の細胞質内でおこなわれますが、S-S結合形成は酸化雰囲気の小胞体(ER; Endoplasmic reticulum)内部でおこなわれます。無細胞タンパク質合成系においても、タンパク質合成は還元条件でおこなうため、酸化雰囲気でおこなわれるS-S結合形成を還元条件下で実現させることは困難です。 ジスルフィド(S-S)結合は、細胞外へ分泌されるタンパク質や膜タンパク質の細胞外ドメインの立体構造形成に重要な役割を果たしており、そのタンパク質の機能発現にとって必要不可欠です。 真核生物において、ポリペプチド合成は還元雰囲気の細胞質内でおこなわれますが、S-S結合形成は酸化雰囲気の小胞体(ER; Endoplasmic reticulum)内部でおこなわれます。無細胞タンパク質合成系においても、タンパク質合成は還元条件でおこなうため、酸化雰囲気でおこなわれるS-S結合形成を還元条件下で実現させることは困難です。

 

そこで、弊社では、真核生物においてS-S結合形成反応に関与するProtein Disulfide Isomerase (PDI)とEndoplasmic reticulum oxidoreductase 1a (Ero1a)をコムギ無細胞合成系へ導入し、活性を保持したタンパク質を合成可能であるかどうか検討をおこないました。そこで、弊社では、真核生物においてS-S結合形成反応に関与するProtein Disulfide Isomerase (PDI)とEndoplasmic reticulum oxidoreductase 1a (Ero1a)をコムギ無細胞合成系へ導入し、活性を保持したタンパク質を合成可能であるかどうか検討をおこないました。 本実験では、血栓溶解に関与する組織プラスミノーゲンアクティベータ―(tPA)のプロテアーゼドメイン(アミノ酸残基297-562; S-S結合6本)を、テストタンパク質として用いました。(図1)

 

方法

タンパク質合成

合成は、230ulスケールの重層法で15℃、20時間おこないました。下層は、mRNA合成液、クレアチンキナーゼ、コムギ抽出液WEPRO7240H、さらにPDIとEro1aを加えた混合液として調製しました。上層は、翻訳反応基質溶液 SUB-AMIX-SGC (4mM DTT またはDTT free)を用いました。

 

活性測定

測定溶液は、0.075% Tween80を含む50mM Tris-HCl (pH8.0)バッファー溶液に、反応基質としてロシュ社製Chromozym t-PA(終濃度0.25mM)、合成後の反応液上清3ulを加えて、液量100ulとしました。測定は、tPAプロテアーゼドメインによって消化され遊離したp-ニトロアニリンの吸光度(波長405nm)を測定し、反応初速度(カーブの傾き)をtPAプロテアーゼドメイン量(mg)で割った値を活性としました。

 

       

tPA1

 

図1   A: tPAのドメイン構造とS-S結合の位置 B: tPAプロテアーゼドメインの立体構造(PDB 1BDA)

結果

タンパク質合成

上層に通常条件のSUB-AMIX-SGC (4mM DTT)を用いた場合、 PDIとEro1aを添加しても可溶化量に変化はありませんでした。しかし、SUB-AMIX-SGC (DTT free)を用いると、 それだけで可溶化量は1.9倍になり、さらにPDIとEro1a添加によって3.8倍に増加しました。

 

 

tPA2 

図2   tPAプロテアーゼドメインの可溶化量

 

活性測定

tPAプロテアーゼドメインの活性を測定した結果、上層にSUB-AMIX-SGC (4mM DTT)を用いた場合は、PDIとEro1a添加の有無に関わらず、Negative Controlと同程度であり、活性は確認できませんでした。一方、SUB-AMIX-SGC (DTT free)を用いた場合は、活性が確認され、PDIとEro1a添加によって、さらに活性が3倍に上昇しました。

 

       tPA3 

図3   tPAプロテアーゼドメインの活性測定

A: タイムコース測定 B: 活性(1 µg当りの反応速度)

 

考察

上層の酸化還元状態、および PDIとEro1a添加の有無によって、可溶化量と活性の両者で顕著な差が表れた理由は、形成されたS-S結合は酸化雰囲気では安定に保持されるが、還元雰囲気では速やかに還元され切れてしまうことによると考えられます。このように、コムギ無細胞重層合成において、上層にSUB-AMIX-SGC(DTT free)を用い、さらに合成反応液にPDIとEro1aを添加することによって、S-S結合が効率的に形成され、活性を保持したtPAプロテアーゼドメインが合成可能であることが分かりました。

 

 

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参考文献

1) Bulleid, N.J., Cold Spring Harb Perspect Biol, 4:a013219 (2012).

2) Inaba, K. et al., EMBO J., 29(19): 3330-3343 (2010).

3) Renatus, M. et al., EMBO J., 16(16): 4797-4805 (1997).

 

使用製品

WEPRO7240

WEPRO7240H

Hisタグアフィニティー精製用に最適化されたコムギ抽出液

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