1 発現率・可溶化率
他のタンパク質発現系に比べて発現率・可溶化率に優れています。
大腸菌やその他の発現系では発現されなかったり、発現されても不溶化してしまうタンパク質は
当社の製品・サービスをお使いいただくことで改善される可能性があります。
コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系で最も高い収量が得られます。
翻訳反応1反応あたり240 ulで合成した場合の収量比較
対象タンパク質:DHFR (ジヒドロ葉酸レダクターゼ)
*上記データは当社を含めた各社の公式推奨プロトコールに従って実施した結果を基にしています。
2 再現性・拡張性(スケーラビリティー)
当社のコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系を用いて得られたタンパク質は再現性が高いため、
合成回数にかかわらず一定量のタンパク質が得られます。
一度、目的タンパク質の収量が確認できれば、追加合成やスケールアップ、費用の算出も容易なため、
計画的な実施にも貢献します。
追加合成
スケールアップ生産
※図はイメージです。当社の製品・サービスではケーキは製造できませんのでご了承ください。 |
3 操作がカンタン
ピペット操作による試薬調整とインキュベーターでの温度管理で目的タンパク質が得られます。
操作もわずか4ステップで、細胞培養のような手間や時間もかかりません。
鋳型DNAの構築ができれば、たったの2日で合成確認まで可能です。
目的タンパク質はSDS-PAGE/CBB染色でご確認いただけます。
4 コドンの最適化不要
ある生物種の遺伝子を別の生物に移してタンパク質を発現させる場合、 生物によって好んで使用するコドンが異なる(コドンバイアス)ため、 その生物が好んで使用するコドンに変更すること(コドンの最適化)があります。
コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系では、コドンバイアスの影響を受けにくいため、コドンの最適化が必要なく、もともとの生物種由来の遺伝子をそのままお使いいただくことが可能です。
特殊な配列のmRNAでも発現量が低下しません。
AT含有量が70%に達するマラリアタンパク質の翻訳にも成果を上げています。
※コドンの最適化をすることで合成量が上がる場合もあります。
5 合成条件の柔軟性
当社のコムギ胚芽抽出液は、RNA分解酵素活性が極めて低いことで転写反応と翻訳反応の2ステップを可能にし、
翻訳反応の至適条件を追及することができます。
翻訳反応時に金属イオン、界面活性剤、リポソームやナノディスクなどの脂質膜、安定同位体ラベル化アミノ酸、
アミノ酸アナログなどの添加や複数のmRNAを用いた共発現など
目的に応じて反応条件を自由に変えることが可能です。
目的タンパク質の必要に応じて翻訳反応時の反応温度(4~26℃)・反応時間も自由に変更することも可能です。
※通常、当社製品の推奨温度・反応時間は15℃、20時間としています。
6 ボーダーレスな利用
当社製品・サービスをご利用いただいて作製したタンパク質は
「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(通称カルタヘナ法)」に該当しません。
海外への輸出制限、手続きの手間や負担など大きな障壁がないため、
国際的な共同研究プロジェクトやグローバル戦略に貢献します。
マラリア撲滅に向けたワクチン開発の国際共同研究プロジェクトにも貢献しています。